薄肌ねえさんのお肌──ターンオーバー

薄肌は、まだ十分に解明されていない繊細な肌領域。
「スキンケア実験室」では、
化粧品開発歴10年以上のわたくし「こうじ先輩」が、
薄肌ねえさんの肌を科学的視点から分析することで、
薄肌について探求していきます。
今回はターンオーバーについてです。
以前に「肌のターンオーバー、早ければいいわけじゃない?」という記事でも投稿しましたが、今回は実際に薄肌ねえさんのターンオーバーについて調べていきます。


行った試験は、KLK7活性の測定です。
ターンオーバーの鍵を握る酵素「KLK7」とは?
KLK7(カリクレイン7)は、角層細胞同士をくっつけるタンパク質を切断する酵素です。
このKLK7の活性が低いと、角層細胞同士の結合を切ることができず、結果的にターンオーバーが遅れてしまいます。
少し補足しますね。
KLK7は「細胞の接着を切るハサミ」
肌の表面の角質は、接着剤のようなもので互いにくっついています。
古くなった角質が自然に剥がれ落ちるには、この接着剤を切らなければなりません。
そこで働くのが「KLK7」。
これは、細胞同士の接着をチョキンと切る「ハサミ」のような役割をします。
- 働きが弱い(=ハサミが動かない): 角質が切れずに溜まってしまい、ゴワつきの原因に→ターンオーバー遅延
- 働きが強い(=ハサミが切りすぎる):角質が早く剥がれすぎて、未熟な肌が露出してしまう→ターンオーバー促進


そのため、KLK7の値はターンオーバーの速さの指標に使われます。
薄肌の角層を採取して測定
それでは、実際に測定してみましょう!
早速測定した結果を見てみると……
KLK7活性:0.3159(nmol AMC /min/mg protein)
この数値は、社内の同年代女性の平均値と比較しても、そこまで悪くない数値でした。
つまり、ターンオーバーが極端に早いわけでも、遅いわけもないという状態。
薄肌だからといって、ターンオーバーが早くて角質層が薄いとは言い切れないですね。
ええーっ! 意外です! わたしの肌、てっきり未熟ですぐ剥がれちゃう「せっかち肌」だと思ってました。機能としては「普通」なんですね。ちょっと安心したような、拍子抜けしたような…。
「ポテンシャル」と「実際の現象」は違う?
今回の試験結果は、KLK7活性を見ているだけであり、肌本来のもつターンオーバーのポテンシャルを測定したような状態です。
外部刺激を受けやすい肌だと、KLK7活性は良くても、外部刺激によってターンオーバーが乱れることはありますので注意は必要です。
薄肌ねえさんの現状は、「元の機能(KLK7)は正常だが、環境に邪魔されやすい」状態である可能性が高いですね。
これからも、「薄肌」を科学で分析していきます!
次回も、薄肌ねえさんの肌を実験台にしながら、リアルな「薄肌の中身」を明らかにしていきます!お楽しみに!
FAQ(よくある質問)
Q:薄肌の人はピーリングをしてはいけませんか?
A:一概に禁止ではありませんが、慎重に行う必要があります。今回の実験のように、酵素活性が正常であれば、過度なピーリングはバリア機能を低下させる原因になります。もし行う場合は、こすらないタイプのマイルドなものから試し、肌の様子をよく観察することをおすすめします。
Q:KLK7の数値を良くするにはどうすればいいですか?
A:KLK7などの酵素は、肌の水分量が適切でないとうまく働きません。数値が低すぎる(角質が溜まる)場合も、高すぎる(剥がれすぎる)場合も、基本は「保湿」で角層の環境を整えることが、酵素が正しく働く第一歩です。
また、もし数値が低くターンオーバーが滞りがちな場合は、成分に注目するのもひとつの手です。例えば、「ローズマリー葉エキス」にはKLK7の活性を促進する作用があるといわれており、スムーズな角質剥離をサポートしてくれますよ。
Q:ターンオーバーが乱れているサインはありますか?
A:肌のごわつき、ざらつき、あるいは極端な乾燥や赤み、化粧水の浸透が悪く感じるなどがサインです。薄肌の方は特に「赤み」や「ヒリつき」として乱れのサインが出やすい傾向にあります。
これまでの薄肌ねえさんの肌研究







