肌が「赤くなりやすい」は薄肌のサイン?

「帰ってきて気づいたら肌が赤くなっている」「洗顔のあとに頬が赤くほてる」
そんな経験、ありませんか?

私は小鼻の周辺が赤くなります。。。
このように、肌に赤みが出やすい人は、薄肌の可能性があります。
でも、“赤くなる”ってどういうこと?
今日は、そんな疑問について、現役化粧品開発者のこうじ先輩に聞いてみました!
肌が赤くなるのは、どんな仕組みか見てみよう
肌に赤みが出る症状は、「炎症」と関連しています。
順を追って説明していきます。
- 肌には、外部からの異物などの侵入を防いだり、肌内部の水分の蒸散を防ぐバリア機能があります。
- このバリア機能が低下しているときに、異物の影響や刺激を受けると、免疫反応が起こります。
- 免疫反応により炎症が引き起されることで、毛細血管が拡張します。
- この毛細血管の拡張が、“赤み”の正体なのです。


薄肌と赤みの関係とは?
冒頭で述べたとおり、「薄肌」と“赤み”は関連があると考えられています。
以前、「血管が透けるのは“皮膚が薄い”から?色白=薄肌?」の記事でも解説しましたが、
血管が透けやすいのは、薄肌の特徴のひとつです。


毛細血管は、血管ほど大きくないため健康状態で目立つことはないのですが、
ひとたび拡張して赤みを帯びた状態は、薄肌では特に目立ちやすいと考えられます。
\こうじ先輩のひとこと解説/



赤み症状が気になる場合、放置せず皮膚科を受診しましょう。
避けよう!赤みが出ている時のNG行為
赤みが出ているときには、肌に刺激を与えるような行為を避けましょう。
刺激を与えるNG行為
- ゴシゴシとこする
- タオルでふき取る際に強い力をかけてしまう
- 熱いお湯での洗顔
- 肌に合わない洗顔料やクレンジングの使用
特に注意!肌のかゆみ
特に気を付けたいのが、“かゆみ”です。
赤みとともに現れやすい症状に、かゆみがあるのですが、
肌を“搔く”という行為は、肌トラブルの原因になるため、避けましょう!
搔くことで引き起こされる肌のトラブル
- 肌のバリア機能が低下して、さらに刺激に敏感になる
- 肌に傷がつき、細菌などが侵入しやすくなる
- 傷が慢性化して化膿などを引き起こすことがある
\こうじ先輩のひとこと解説/



実は、このかゆみ…かけばかくほど、更にかゆみを感じやすくなることはご存じでしょうか?
肌をかくことによる刺激は、「かゆみ物質」を放出する要因なのです。
意識したいスキンケア
乾燥は大敵。保湿ケアを大切に
乾燥はバリア機能を低下させる要因です。
化粧品でしっかりと保湿ケアを大事にするのと合わせて、
エアコンの風に直接当たらないようにする、季節によっては加湿器を使うなどの乾燥しづらい環境作りも意識しましょう。
刺激の少ない化粧品選び
バリア機能が低下しているときは、低刺激な化粧品選びをするとよいでしょう。
なるべく、“敏感肌向けパッチテスト済み” “アレルギー試験済み”と記載のある製品を選ぶのが良いかもしれません。



使用前に体の目立たない部分に塗ってみて、刺激やアレルギーが出ないかを調べてからお顔に使用することもおすすめです。
外部刺激から肌を守る
花粉などの外部刺激が肌に付着しないよう、マスクやメガネなどで顔や肌を覆うとよいでしょう。
また、花粉などは帰宅時になるべく玄関先で落とし、部屋に持ち込まない工夫も有効です。
室内では、ダニやハウスダストが増えないよう、定期的な掃除で清潔な環境を整えるようにしましょう。
摩擦レスな洗顔の習慣
外部刺激物質を洗い流すために、一日の終わりにはしっかりと洗顔を!
その際には、肌に刺激を与えないように工夫するとよいでしょう。



基本は、「こすらない」「泡で優しく洗う」を意識してみてください。
層の多い洗顔ネットを使用するのがおすすめです。
洗い流す際には、熱いお湯ではなく、ぬるま湯を使います。
また、洗い残しは肌トラブルの原因になるため、注意しましょう。
日中のUV対策
紫外線は炎症の大敵。
SPFの高い日焼け止めよりも、低刺激で毎日使えるタイプを選んでこまめに塗り直すのが大事です。


クレンジングを必ず行う
日焼け止めやメイク残りは、肌トラブルの原因です。
W洗顔不要のアイテムであっても、メイク品やクレンジングに含まれる油性成分が落としきれないクレンジングもあります。
洗い上がりにべたつきを感じるのであれば、洗顔もするようにしましょう。
薄肌を優しくケアできる剤型として、クリームクレンジングやミルククレンジングがおすすめです。



こうじ先輩!質問です!
赤みが出やすいところに、抗炎症系のスキンケアを使うことは有効ですか?



赤みが出やすいところに抗炎症系のスキンケアを使うことは有効だと思います。
例えば代表的な抗炎症成分であるグリチルリチン酸2Kは、赤みの原因であるプロスタグランジンなどの炎症性サイトカインを抑制する効果があるため、赤みが出やすい部分に日常的に使用することで赤みの予防に繋がります。



なるほど……グリチルリチン酸2Kの入ったスキンケアを探してみます!
あとこれは単なる興味なのですが、ねえさん、お酒ではあまり赤くなりません。薄肌の赤みと何か違いがあるのでしょうか?(メカニズムなど)



皮膚が赤くなる主な要因は、先ほど解説した通り血管の拡張です。
ただ、血管を拡張してしまう要因はさまざまあります。
外部刺激や炎症によって赤くなる場合 ▶︎ | ヒスタミンなどが放出されて血管が拡張される |
お酒で赤くなる場合 ▶︎ | アルコールが分解されたことによって生じるアセトアルデヒドが血管を拡張する |
お酒を飲んでも赤くなりづらい人は、アセトアルデヒドを分解する酵素が強い人だと思います。
まとめ:“赤み”は予防と対策で乗り切ろう
肌に赤みが出ているときって、「周りからどう見られているかな…」とか気になってしまいますよね。
繊細な薄肌は、赤みが目立ちやすいタイプなので、そんな経験がある方も多いかもしれません。
肌タイプを変えることはできないけど、肌トラブルの予防はできるもの。



赤みを引き起こさないように、刺激対策やバリア機能を低下させない対策をがんばっていきましょう。



こうじ先輩、ありがとうございました!
赤みのメカニズムがわかって、必要なケア・NGケアの理屈がよ〜〜〜く理解できました。
肌の特性を知るって本当に大事……!
今後もこうじ先輩と、薄肌について研究していきます。