「アルコールフリー」を気にする人が9割──428人調査で見えた、薄肌《安全志向》層の実態

薄肌研究室 独自調査(n=428)|敏感肌・乾燥肌・普通肌 比較

いつもの“薄肌日記”や“実験室”とは少し違うのですが、
今回初めて、薄肌研究室としてアンケート調査をまとめてみました

きっかけは、化粧品開発歴10年以上のこうじ先輩との会話。

「薄肌さんって、どんな視点でアイテム選びをしているんだろう」

そんな話から、
“薄肌さんの感覚”を、感覚のままで終わらせず、きちんと数字で見てみたいと思うようになりました。

実際に調査してみると、スキンケアの選び方や情報収集の仕方には、想像以上に一貫した傾向が見えてきました。

今回はその結果の一部を、調査レポートとして公開します。

■ 調査名:薄肌に関するスキンケア行動・意識調査
■ 対 象:スキンケアを日常的に行う女性 428名
■ 回答者:混合肌114名 / 普通肌114名 / 乾燥肌80名 / 脂性肌43名 / 敏感肌29名 / 複数回答46名 / 分からない2名
■ 実 施:薄肌研究室(usuhada-lab.com)
■ 実施時期:2025年※ 本調査では「薄肌《安全志向》指数」を独自指標として設定(後述)

本記事では、「薄肌《安全志向》指数(後述)」が高いスコアを示した層を「薄肌さん」と定義しています。
必ずしも皮膚科学的な肌タイプではなく、「肌への危機意識が高く、慎重な選択をする人」という意味合いでお使いください。

目次

薄肌研究室 独自指標「薄肌《安全志向》指数」とは

本調査の結果を分析するため、私たちは独自の指標として「薄肌《安全志向》指数」を策定しました。

これは、消費者が「自分の肌は薄く脆い」という前提に立ち、どれだけ失敗を避け、安全な選択をしようとする防衛本能(=安全志向)が働いているかを可視化したものです。

指数の算出基準(全6ポイント)

アンケート結果に基づき、以下の6つの行動・思考に該当する場合、1項目につき1ポイントとして算出しています 。

指数レベル 定義項目(各1点)考え方
科学的根拠に基づいた商品を信頼している根拠の重視
年間を通じて保湿ケアを重視している保湿のインフラ化
べたつかない高保湿化粧水に魅力を感じる設計へのこだわり
スキンケアが合わず肌トラブルになった経験がある失敗の経験
現在、皮膚科に通院している現在の深刻度
有料のミニサンプルがあれば購入して試す慎重な試用

スコアが高い人・低い人の特徴

合計点数によって、肌への向き合い方は以下のように明確に分かれます 。

【高スコア:4〜6点】合理的防衛フェーズ(n=11)
  • 状態:多くの「合わない経験」を積み重ねた結果、非常に慎重になっている状態
  • 行動:成分を「攻め」の道具ではなく、失敗を避けるための「安全装置(防御ツール)」として読み解く
  • 価値観:保湿は「ケア」ではなく、肌を安定させるための「インフラ」と考えている
【中スコア:2〜3点】警戒開始フェーズ(n=90)
  • 状態:乾燥やトラブルの予兆を感じ、これまでのケアに違和感を持ち始めている状態
  • 行動:情報を集め始めるが、まだ自分なりの明確な判断軸を模索
【低スコア:0〜1点】美容享受フェーズ(n=327)
  • 状態:致命的な失敗体験が少なく、肌トラブルに対する警戒心がまだ低い状態
  • 行動:美容情報を「楽しみ・娯楽」として消費でき、季節に合わせて保湿を調整する余裕がある

発見① 「○○成分フリー訴求」への反応度は、薄肌《安全志向》指数で最大7倍変わる

各フリー成分に対する「購入時に気にする」と回答した割合:

フリー項目薄肌《安全志向》指数:高薄肌《安全志向》指数:中薄肌《安全志向》指数:低
アルコールフリー90.9%36.7%12.8%
石油系界面活性剤フリー72.7%33.3%10.7%
合成香料フリー63.6%23.3%6.1%
鉱物油フリー54.5%12.2%6.1%
パラベンフリー45.5%24.4%7.0%
シリコンフリー45.5%15.6%5.2%

薄肌さん(=高スコア層)は、「何が入っているか」だけでなく「何が入っていないか」まで確認していることがわかりました。
そこに見えてきたのは、「効果への期待」よりも「リスク回避」を優先する傾向でした。

“攻めの魅力”より、“守りの根拠”が重視されています。

発見② 「安心・安全」は、選ぶための差別化要因ではなく、すでに前提条件だった

薄肌《安全志向》指数が高くなっても、「品質・安全性」のスコアは衰えることなく、すべての層で一律に高いベースライン(1.4台)を維持しています。
一方で、指数が高くなるにつれて「成分」のスコアは 0.56 から 1.19 へと急上昇しています。

判断軸薄肌《安全志向》指数:高薄肌《安全志向》指数:中薄肌《安全志向》指数:低
品質・安全性1.441.431.41
成分1.191.060.56
口コミ0.310.490.30

薄肌さんにとって「安全なこと」はもう当たり前

だからこそ、商品の良し悪しを判断する独自の軸として、その先にある「なぜ安全なのか」の根拠=成分を厳しくチェックしている様子が見えてきました 。

発見③ 芸能人・インフルエンサーPRに動かない

SNSでの購入きっかけ敏感肌 (n=29)乾燥肌 (n=80)普通肌 (n=114)
芸能人のPR商品0.0%11.2%10.5%
有名な皮膚科医のPR6.9%7.5%7.0%
Instagramインフルエンサー0.0%20.0%3.5%
一般人の口コミ投稿3.4%10.0%3.5%

乾燥肌はInstagramインフルエンサーに動く(20.0%)。でも敏感肌が反応するのは専門家だけ。
【人気】より【根拠】を求めているのが、数字に表れています。

発見④ デジタルだけでは完結しない——店頭確認行動

情報収集媒体敏感肌 (n=29)乾燥肌 (n=80)普通肌 (n=114)
@cosme20.7%40.0%23.7%
店頭31.0%22.5%19.3%
Instagram10.3%31.2%18.4%
ブランドサイト13.8%16.2%9.6%
YouTube10.3%23.8%11.4%
X(旧Twitter)20.7%23.8%11.4%

「SNSで見つけて、店頭でテクスチャーや成分表示を確かめてから買う」という二重確認行動が敏感肌の特徴。
SNSだけでは購買が完結しない点は、ブランド側の導線設計を考えるうえでも興味深い結果でした。

SNSで調べて、最後は店頭で確かめる ——「納得」と「お試し」の二重チェック

薄肌さんは、ネットの口コミやSNSの評判だけで、そのまま現品を即購入するような冒険はしません。
彼女たちの行動を紐解くと「オンラインでの納得」と「オフラインでの不安解消」という、慎重な二重のステップを踏んでいることがわかります。

まずはスマホを片手に、SNSや成分解説を見ながら、「刺激になりそうなものは入っていないか」「自分の肌でも使えそうか」を徹底的に確認して、自分の中でGOサインを出します(オンラインでの納得)。

そのうえで、最後は店頭に足を運び、テクスチャーや成分表示を実物で確かめたり、有料サンプルを試したりして最終判断を下すのです(オフラインでの不安解消)。

どれだけネットでバズっていても、「最後は自分の肌で確かめたい」
この慎重な防衛本能があるからこそ、デジタルだけでは完結しない、薄肌さん特有の丁寧な行動スタイルが生まれています。

薄肌さんが新しいアイテムに挑戦するときは、以下のようなステップを踏むことがほとんどです。

データが示す、薄肌さんの思考ストーリー

スキンケアで失敗した経験がある
↓ だから
一年中、油断できない(通年ケア)
↓ だから
「安全そう」では足りず、成分・フリー項目を自分で確認する
 ↓ だから
専門家の発信を信頼する
 ↓ だから
店頭でも実物を確かめる

「神経質」でも「こだわりが強い」でもない。
失敗経験をもとにした、自然な自己防衛とも言えそうです。

まとめ:私たちがスキンケアに本当に求めていること

今回の調査で見えてきたのは、薄肌さんが決して「神経質」や「こだわりが強い」わけではなく、
過去の失敗経験から学んだとても合理的でしなやかな自己防衛をしているということでした。

薄肌さんが、これからのスキンケアに本当に求めているのは、きっと次のようなアイテムです。

  • 「なんとなく安全そう」ではなく、「なぜ大丈夫なのか」の理由があること
    抽象的な安心ワードで濁すのではなく、成分一つひとつの役割や意味がちゃんと説明されている
  • 「刺激のなさ」と「高い保湿力」のどちらも諦めないこと
    トラブルを恐れて物足りないケアで妥協するのではなく、刺激を避けながらもしっかりうるおう、肌に合わせた「最適化」の設計
  • 特別な日のケアではなく、365日寄り添ってくれる「インフラ」であること
    たまのご褒美(スペシャルケア)よりも、毎日どんなときでも肌のベースを安定させてくれる、お守りのような存在

「もう失敗したくない」という切実な願いから生まれた薄肌さんの厳しい目線は 、これからのスキンケア選びの新しいスタンダードになっていくのかもしれません。

【メディア・商品企画関係者の皆様へ】

本記事で紹介した「薄肌《安全志向》指数」や調査データは、出典(薄肌研究室:https://usuhada-lab.com/ )を明記・リンクいただければ、企画書や記事のデータとしてご活用いただけます。 

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