化粧品の容器は、ただの入れ物じゃない?

スキンケアは、感覚ではなく設計です。
「スキンケアをつくる!」では、化粧品でよく使われる成分の基本的な知識や処方開発者だからこそ分かる情報、処方の根拠や安全性の考え方、
そして、薄肌ねえさんと開発したスキンケアブランド【imaét -イマエット-】の処方理論を解説します。
薄肌に悩んできたからこそ、「自分がワクワクするスキンケアをつくりたい」。
ブランド名やデザインに込めた想い、迷いながら選んだ言葉や色の理由をお話しします。
みなさんは化粧品の容器について、普段どんなところを気にして見ていますか?
おしゃれなデザインや、かわいい形だと興味を惹かれますよね。
実は化粧品の容器は、品質が高く、使用感の良い化粧品を市場に流通させるために、とっても大切な存在です。
今日は容器について、開発者側の目線でお話をしたいと思います。
「かわいいは正義!」なねえさんですが、今回imaétの開発を進めるなかで、見るべきポイントや制約がたくさんあるんだな……と痛感しました。
こうじ先輩の解説とともに、ねえさんの容器選びの苦悩もお届けします。
\ この記事のポイント /
- 中身を守る「機能的な鎧」:
酸化や光からデリケートな成分を保護し、最後まで品質を保つために最も重要な役割を果たす - 安全に使い続けるための工夫:
肌を傷つけない形状や中身の出しやすさなど、ストレスなく継続できる安全な設計が徹底されている - 半年がかりの厳しい相性試験:
容器と中身の反応を数ヶ月かけて検証。不合格なら開発が白紙に戻ることもある、妥協のない工程。
\ こんな方にぴったりの記事です /
- 化粧品を「パケ買い」しがちで、容器の役割を詳しく知りたい人
- 「薄肌」や「敏感肌」で、中身の品質維持にこだわりたい人
- 化粧品がどうやって作られているのか、開発の裏側に興味がある人
知っているようで知らない、化粧品容器の種類
まずは最初に、化粧品の容器の種類についてのお話をします。
容器は、用途別に非常に多くの種類が存在します。
ここでは、スキンケアによく使われる容器をご紹介します。


- チューブ容器
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洗顔料、クレンジング、クリームなどに使用される


- 細口ボトル容器
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化粧水などに使用される


- スポイト容器
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美容液などに使用される


- ポンプ容器
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化粧水、美容液、乳液などに幅広く使用される


- スプレー容器
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ミスト化粧水、ミスト美容液などに使用される


- 広口ジャー容器
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クリーム、クレンジングなどに使用される


- エアレス容器
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気密性が高く、中身を新鮮な状態に保ちやすい。
美容液やクリーム、ファンデーションなどで使用される。
一番大事なのは、中身を保護すること
化粧品を開発していく中で、容器選びは大切な工程です。
中でも特に大切なのは、容器の機能性をどう見極めるかです。
第一優先事項として、中身の化粧品を高品質に保つことがあります。
化粧品は、お客様のお手元に届くまでの品質担保はもちろん、開封後の品質劣化も少ないことが大切です。
そのため、化粧品の中身の品質確認と同じように、容器の品質面もさまざまな確認を実施します。
【容器の品質確認事項の例】
- 気密性:中身がこぼれてしまうことや、空気や水などの混入の可能性がないか
- 遮光性:可視光線や紫外線による劣化の可能性はあるか
- 印字性:法律で定められた表示が印字でき、消えてしまわないか
- 耐久性:落下などの衝撃や減圧した際に容器や中身に影響がないか
- 吐出性:吐出できず、中身が出てこないという可能性がないか
「かわいいだけじゃダメ」の1番の理由ですね!まずは中身の品質を守ることが、容器の最優先の課題です。
この容器は、お肌に安全に使えるか?
化粧品の容器は、中身の品質を守るだけでなく、消費者が使用する際の安全性を考えることも大切です。
例えば、形が鋭利で怪我に繋がらないかだったり、肌を傷つけるような形状でないかなど、
さまざまな観点から安全性を考慮しています。
また、蓋が固くて開けづらくないか、反対にゆるいために落としてしまって割れないかであったり、吐出時に飛び散ってしまわないかなど、使いやすさの面も評価しながら容器は選定されます。
それでも大事なのは、容器のデザイン性
それでも化粧品にとっては、デザイン性はとても大切な要素。
おしゃれな容器が洗面台に並んでいると気分が上がりますよね。
先述したような、“機能性”を押さえつつも、各メーカーとも、ブランドの世界観を損なわないような形やデザインかどうか、手に取ったときに喜んでもらえる容器なのかということを大事にしながら、丁寧に容器を選んでいます。
imaétでも、容器選びにはたくさんの議論を重ねましたよね。
そうなんです。。。「かわいい」と「使いやすい」のバランスを取るのが難しくて、100本以上の容器を取り寄せちゃって……デスクが大変なことに。。。
ガラスの質感に一目惚れしたボトルは、素敵だったけどローションを入れると重すぎて、毎日使うには少し負担になりそうでした。。。
理想を追い求めると、今度は「予算」や「製造ラインでの適性」という壁が立ちはだかります。 容器の素材によっては、工場の機械でうまく掴めなかったり、ラベルが剥がれやすかったりすることもあるんです。
容器と化粧品の相性
ここまで挙げたような容器の機能面とデザイン面を精査して、容器を決定したのち、
化粧品の中身と容器の相性を確認するための試験を行なわないと、化粧品を世の中に出すことはできません。
これは、容器の材質と化粧品の成分の一部が反応してしまい、
容器もしくは化粧品を劣化させるなどの悪影響がないかを確認するための工程です。
実は、この工程には数か月もの期間を要します。
もしも相性が悪かった場合には、容器選びや化粧品開発が振り出しに戻ることもあります。
そのくらい、容器選びは徹底的に管理されているのです。
容器選びは、ジレンマが本当にたくさんありました。。。
容器が決まってからも納品まで数ヶ月待ちで……容器関連、とにかく時間がかかるんです!
でも、その時間をかけるからこそ、みなさんに自信を持って届けられる一品になるんですよね。
まとめ
容器選びは試行錯誤の連続。
ときには振り出しに戻ることもある、開発者泣かせの工程です。
品質を守りつつも、おしゃれでワクワクする容器を届けたい…。
そんな想いが、少しでも届いていれば、嬉しいものです。
FAQ(よくある質問)
- ガラス瓶よりプラスチック容器の方が良いの?
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一概にはそうとは言えません。それぞれにメリットやデメリットの特徴があるため、機能性やデザイン性のバランスや、ブランドアイデンティティによって選択されています。
ガラス容器は見た目の高級感があることが大きな特徴です。さらに近年では、脱プラスチック推進の影響で、ガラス容器が選ばれることも増えています。一方で、重い・割れる、消費者が処分に困るなどのデメリットもあります。
プラスチック容器は、遮光性の高さやデザイン性の幅広さなどが大きな特徴で、非常に多種多様な形状の容器が市場に流通しています。こちらもデメリットがあり、傷がつきやすかったり、バルク(中身)との相性を慎重に検討する必要があるなどがその一例です。
- 容器を移し替えて使ってもいい?
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おすすめしません。元の容器は中身との相性試験をクリアしていますが、市販の詰め替え容器では成分が変質したり、詰め替え時に雑菌が混入したりするリスクがあるためです。
- 「エアレス容器」はどうやって見分けるの?
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ポンプ式で、中にストローのような管が見えないものはエアレス容器の可能性が高いです。また、使っていくうちに底が上がってくるのも特徴です。
[参考文献・出典]
【薄肌用スキンケア】imaét -イマエット- 公式サイトはこちら

