化粧水の「とろみ」は保湿のフリ?増粘剤の真実

スキンケアは、感覚ではなく設計です。
「スキンケアをつくる!」では、化粧品でよく使われる成分の基本的な知識や処方開発者だからこそ分かる情報、処方の根拠や安全性の考え方、
そして、薄肌ねえさんと開発したスキンケアブランド【imaét -イマエット-】の処方理論を解説します。
薄肌に悩んできたからこそ、「自分がワクワクするスキンケアをつくりたい」。
ブランド名やデザインに込めた想い、迷いながら選んだ言葉や色の理由をお話しします。
ねえさんの本音:増粘剤ってただの「演出」だと思ってました
こんにちは!薄肌ねえさんです。
実は私、こうじ先輩に詳しく聞くまでは、増粘剤に対してちょっと冷ややかな目を持っていたんです(笑)。
というのも、しっとりタイプの化粧水を使っては、
肌表面はしっとりでも、肌の奥の乾燥感が解消しない経験を何度もしているから。
「肝心の保湿成分はちゃんと入ってるの?」なんて、性格の悪いことを考えていました。
(実は「とろみで誤魔化されるくらいなら、シャバシャバの浸透が良い化粧水の方がいい!」と今も思っています。)
でも、化粧品開発の現場を知るうちに、その考えが少しずつ変わってきたんです。
そこで今日は、化粧品開発歴10年のベテラン・こうじ先輩に、増粘剤の本当のところを詳しく聞いてみたいと思います!
ねえさん、増粘剤を「演出」と切り捨ててしまうのは、ちょっともったいないですよ(笑)。
スキンケアは、感覚ではなく設計です。
増粘剤は、心地よいテクスチャーを作るだけではありません。
増粘剤とは?
増粘剤とは、液体に「とろみ」を与える成分のことです。
主な役割は以下の通りです。
- テクスチャーの調整(さらさら/とろみ/ジェル状)
- 製剤の安定化(分離するのを防ぐ)
- 粉体や有効成分を均一に分散
- 皮膜形成、保湿作用
増粘剤は、肌なじみなどの使用感や安定性にも関わる非常に重要な存在です。
今回は、水溶性の増粘剤に焦点をあてて解説していきます。
増粘剤の種類
増粘剤といっても、その種類は多岐にわたります。
それぞれの特徴などを理解した上で処方に配合していく必要があります。
❶ 天然多糖類
多糖類とは、グルコールやマンノースなどの単糖が多くつながってできる高分子のこと。
単糖の種類によって、多糖類の性状は変わっていきます。
多糖類は一般的に高い親水性を持つという特徴があるため、水を保持する力があり、
化粧品のさまざまなテクスチャーを実現することができます。
| 成分名 | 構成 | 特徴 |
|---|---|---|
| キサンタンガム | ・グルコース ・マンノース ・グルクロン酸 | 少量で高い増粘効果がある |
| カラギナン | ・D-ガラクトース | 弾力性のある固いゲルを形成する |
| タマリンドシードガム | ・グルコース ・キシロース ・ガラクトース | 糸引きやぬるつきが少なく、自然なとろみを与える |
| アラビアガム | ・ガラクトース ・アラビノース ・ラムノース ・グルクロン酸 | 増粘はしづらいが、乳化安定性を向上させることができる |
❷ 合成高分子
石油などを原料に、化学的に合成された高分子のこと。
べたつきが少なく、粘性を与えたあとの外観の透明性が高いものが多いです。
長い使用実績があり、安全性の高い増粘剤です。
| 成分名 | 特徴 |
|---|---|
| カルボマー | ・水酸化Kなどで中和することで増粘 ・優れた増粘効果と、肌なじみが特徴 |
| (アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー | ・水酸化Kなどで中和することで増粘 ・増粘効果に加え、油を抱え込む機能もあるため乳化剤※としても使用される |
※乳化剤:水と油のように混ざり合わない液体同士を、均一に混ぜ合わせることができる成分
❸ セルロース系増粘剤
セルロースは、木などの植物繊維からとれる多糖類の一種。
セルロースを化学的に変換することで、さまざまな機能をもつ増粘剤になります。
| 成分名 | 特徴 |
|---|---|
| ヒドロキシエチルセルロース | ・とろみだけでなく、すべりやすさを向上する ・シャンプーやボディジェルなどに使用されることが多い |
| ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース | ・少量で高い増粘効果がある ・塩類やエタノールとも相性が良いことから、ビタミンC誘導体を高配合した商品や、アルコールジェルなどにも用いられる |
| セルロースナノファイバー | ・ルロースをナノサイズまで細かくしたバイオマス素材 ・べたつきが少なく、油や顆粒などを分散させる機能に優れる ・またミスト容器などで吐出できるのも特徴 |
❹ 無機系増粘剤(鉱物系)
天然の鉱物から精製したもので、水中で膨潤して高い粘性を持ちます。
シルキーな肌ざわりになるものが多く、灰色や茶色など鉱物由来の色がついています。
| 成分名 | 特徴 |
|---|---|
| ベントナイト | ・滑らかな伸びと吸着性があるのが特徴 ・洗顔料やクレイパックなどに用いられる |
増粘剤は扱い方を間違えると、
使用感がべたついてしまったり、離水(水がジェルから出てくる)してしまったりします。
それぞれの原料の特性をしっかり理解し配合することで、
使用感・安定性を両立した化粧品を作ることができます。
化粧品は長期で使用することでより効果を発揮するもの。
長く使い続けたいと思っていただけるように、使用感にもこだわった化粧品開発が重要だと思っています。
ねえさんの開発裏話!imaétが辿り着いた「理想のとろみ」とは?
実は、「imaét(イマエット)」でも、この増粘剤についてはかなり議論しました!
ねえさんは最初、
「とろみはあんまりいらないです! シャバシャバの方が浸透感があるし、肌が薄い私には軽い方が安心なんです」
って、こうじ先輩にリクエストしていたんです。
でも、試作を繰り返すうちに気づいたことがありました。
完全にシャバシャバだと、指の間からこぼれてしまって、
かえって肌に摩擦を与えてしまうんです。
それに、塗った後の「守られている感」が少し物足りない……。
こうじ先輩は、そんなわたしのワガママを汲み取って、増粘剤の種類と量を何度も検討してくれました。
その結果、imaétの化粧水は「ほんのりとろみはあるけれど、肌にのせるとスッとほどけて消えるような浸透感」を実現できたんです!
先輩、これです!
塗った瞬間は心地よい重みがあるのに、なじませると全然ベタつかなくて、中までしっかり届いている感じがします!
よかったです。
増粘剤の組み合わせ次第で、浸透感を邪魔せず、むしろハンドプレスしやすく設計することができるんですよ。
長く使い続けたいと思っていただけるよう、使用感にはとことんこだわりました。
薄肌ねえさんのまとめ:心地よいとろみが薄肌ケアを楽しくする
最初は「演出なんじゃないの?」と疑っていた増粘剤。
でもこうじ先輩のお話を聞いて、それは単なる見せかけではなく、
製品の品質を保ち、わたしたちの肌の上に心地よい「保湿の層」を作ってくれる大切な成分なのだと分かりました。
特にわたしたちのような肌が薄いタイプにとって、
スキンケアは安定のものを使う「ちょっと地味な作業の時間」になってしまいがち。
だからこそ、「あ、いいとろみだな」「スッとなじむな」という感覚は、
スキンケアを楽しく至福の時間に変える大事なファクターだと思っています!
FAQ(よくある質問)
Q:増粘剤が入っていると、肌に「膜」が張って、後から塗る美容液の邪魔になりませんか?
A:増粘剤には確かに「被膜形成」の役割がありますが、現代の処方設計では、その後のスキンケアを妨げないようにコントロールされています。むしろ、その膜が肌の水分を逃がさない「保湿の蓋」として機能してくれるメリットの方が大きいんですよ。
Q:たまに化粧水を塗った後、ポロポロしたカス(モロモロ)が出ることがあります。これも増粘剤?
A:その可能性はあります。特定の増粘剤が、その後に塗るファンデーションや他の成分と相性が悪いと、固まって出てしまうことがあります。imaétでは、そういった「モロモロ」が出にくい成分の組み合わせを検証しています。
Q:敏感肌ですが、増粘剤で肌荒れすることはありますか?
A:増粘剤そのものは、分子が大きいため肌の奥まで入りにくく、刺激になりにくい成分がほとんどです。むしろ、とろみがあることで手と肌の間のクッションになり、摩擦という敏感肌の大敵から守ってくれる効果が期待できます。
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